知識的なことを記憶するのは、脳の力を開発する上でよいこととはいえないという考えがあります。わかりやすい例としては、詰め込み教育反対というものです。
たしかにそれは正しいのですけど、気をつけなければならないのはそういうことを言う人に限ってかなり知的レベルが高いということです。そういう人は他の人に比べて少ない努力で知識を獲得することができるんですね。だから実際にはけっこうな量の知識を「記憶」しているんです。
そういう人の話を真に受けて、たとえば小学生の教育に適用したりするととんでもないことになりかねません。「記憶させるのは悪いことだ」と大人が考えて、基本的な知識を記憶させることを子供にやらせなかったとしたら・・・。
たとえば、丸暗記はよくないということで九九を憶えさせなかったとしたら。小学生レベルの漢字の読み書きをさせなかったとしたら。日本の都道府県すら知らないままだとしたら。その子は将来幸せになれるでしょうか?
丸暗記はよくない。この命題はレベルの違いというものを考えて運用しなければならないものでしょう。まさに取り扱い注意です。